絢爛たる一族 ~華と乱~
 4.10

絢爛たる一族 ~華と乱~

中国
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 2012年  
【みるアジア独占!】
『宮廷女官 若曦』『宮廷の諍い女』に続く、中国宮廷ドラマ最新作!
韓国の美人女優 チュ・ジャヒョン主演で贈る波瀾の愛憎劇!明の時代、雲南を支配した木(ぼく)氏一族が繰り広げる、陰謀と闘争の物語!
全 40 話 / 45 分
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エピソード
[第 1 話 ] 
第1話
  45分
ある雪の夜、木府の門前に、2つの影があった。1人は西和(せいわ)――かつて木氏との覇権争いに敗れて滅ぼされた一族の残党である。もう1人は西和の姪・阿勒邱(あろくきゅう)。彼は、まだ幼い姪を木府に潜り込ませ、積年の恨みを晴らす機会を伺おうと考えたのだ。それから幾年かの月日が流れ、阿勒邱は奥御殿を仕切る羅寧(ら・ねい)に仕える侍女へと成長した。その頃、木府では土司である木旺(ぼく・おう)の長男・木青(ぼく・せい)と、次男・木隆(ぼく・りゅう)の対立が表面化しつつあり…。
[第 2 話 ] 
第2話
  45分
松明祭りの最中、突然、黒衣の男たちが刀を振り上げ木増(ぼく・ぞう)に向かってきた。反射的に彼の前に立ちはだかる阿勒邱(あろくきゅう)。たちまち辺りは騒然となった。異変に気付いた高玉龍(こう・ぎょくりゅう)らが駆けつけようとするも、逃げ惑う群衆に行く手を塞がれ思うように動けない。そうこうするうちに、木増は阿勒邱の手を取ると、混乱に紛れてその場を逃げ出すのだった。一方、木府では、木隆(ぼく・りゅう)が、長年連れ添った側室の諾蘭(だくらん)を何のためらいもなく殺したと知った羅寧(ら・ねい)が…。
[第 3 話 ] 
第3話
  45分
木増(ぼく・ぞう)の命を救った阿勒邱(あろくきゅう)はその褒美として、掟を破ったために罰を受けている木坤(ぼく・こん)の解放を訴えた。その無欲さと思いやりの心に感心した羅寧(ら・ねい)は、死んだ諾蘭(だくらん)が行っていた金鉱の管理を彼女に任せることを決める。そんななか、木青(ぼく・せい)だけが、羅寧の真の意図を見抜いていた。褒美どころか、これはむしろ迫害だ――何の後ろ盾もない阿勒邱が高い地位に就けば、やがて命を狙われ、誰かが手を下すはずだ、と…。
[第 4 話 ] 
第4話
  45分
諾蘭(だくらん)は生きており、しかも誰かと組んで黄金を横領した――木坤(ぼく・こん)の言葉に木隆(ぼく・りゅう)は、わずかばかりの動揺を見せた。この"誰か"とは紛れもなく彼自身のことなのだ。自分が解決するから誰にも言うなと口止めし坤を下がらせると、急ぎ屋敷の門外へ。そこには、旧友だと言って先刻突如訪ねてきた謎の男が待っていた。自分の配下になると言うその男に木隆はあることを命じる。それは、横領の露見を防ぐため、諾蘭を殺害しろというものだった…。
[第 5 話 ] 
第5話
  45分
土司・木旺(ぼく・おう)から、阿照(あしょう)を釈放し、金鉱管理の助手として側に置くことを許された阿勒邱(あろくきゅう)。部屋に戻った2人は、これから姉妹として互いに支え合うことを誓い合う。西和(せいわ)は、自分たちの秘密を知っている阿照の存在に不満を持つものの、阿勒邱の信頼は揺るがなかった。一方、阿玉(あぎょく)から、阿勒邱が阿照という手下を得たことを知らされた高菊(こう・きく)は、密かに手筈を整えていた計略を実行することに。それは、阿勒邱を罪人に仕立て上げる卑劣なものだった…。
[第 6 話 ] 
第6話
  45分
阿勒邱(あろくきゅう)は、金庫から腕輪を盗んだという身に覚えのない罪で死刑囚牢に投獄された。彼女を救おうと牢屋に来た西和(せいわ)。諦めたかのように、復讐は終わりにしましょう。これが私の最期の願いだと告げる阿勒邱に、「必ず助けてやるから弱音を吐くな」と言い残し去って行くのだった。その後、一人になった阿勒邱は、亡き両親に思いを馳せた。"死を前に目を閉じると、最愛の人が見える"――誰かの言葉に促されるように阿勒邱は目を閉じた。だがそこで彼女が見たのは両親の姿ではなく…。
[第 7 話 ] 
第7話
  45分
西和(せいわ)が阿勒邱(あろくきゅう)に手渡したものは毒だった。これを羅寧(ら・ねい)が毎日飲む山羊の乳に混ぜろという。動揺しながらも、命じられた通り山羊の乳に毒を混ぜる阿勒邱。だが、その一部始終を阿玉(あぎょく)に目撃されていた。やがて、羅寧のもとに山羊の乳を運んだ阿勒邱は、突然、控えていた衛兵らに剣を突きつけられる。その上、毒を盛るのを見たと阿玉に詰め寄られ、しらを切り通そうとしたその時、羅寧が言った。「私も信じたい。潔白を証明するために、この場で飲んでみよ」と…。
[第 8 話 ] 
第8話
  45分
阿勒邱(あろくきゅう)が灯りを消そうとした瞬間、阿照(あしょう)は「消さないで」と叫んだ。そして、阿勒邱に駆け寄ると、闇が怖い、目を閉じるとあの人の顔が浮かぶと言いながらその場に崩れ落ちてしまう。状況が分からず戸惑う阿勒邱。だが、何かに怯えた様子で自分にしがみつく彼女を抱きしめ、必死で落ち着かせるのだった。あくる日、阿勒邱らが部屋にいるところに突然図巴(とは)統領がやってくる。彼は阿勒邱に向かって開口一番こう告げた。"阿玉(あぎょく)が池で溺死した、その下手人はお前だ"と…。
[第 9 話 ] 
第9話
  45分
決闘は終わった――はずだった。にも関わらず、1人の神廟(しんびょう)武士が、なおも木増(ぼく・ぞう)に襲いかかってくる。それもそのはず、これは木増暗殺の命を帯びた西和(せいわ)の手下が扮した者だからだ。万事休すかと思われたが、木隆(ぼく・りゅう)のおかげで無事に事なきを得て、三朶神の試練は幕を閉じたのである。木増と木坤が、生き残る望みの少ない三朶神の試練を受けたのは、人殺しの罪で投獄されていた阿勒邱(あろくきゅう)を助け出すため。自分のせいで2人の命が危険にさらされたことに胸を痛めた彼女は…。
[第 10 話 ] 
第10話
  45分
木旺(ぼく・おう)から木隆(ぼく・りゅう)に言い渡された軍での役回りは"雑役"だった。その上、軍営で騒ぎを起こし、上官である阿雄(あゆう)に狼藉を働いた罰で、鞭打ち30回の刑まで課せられる。慌てて阿雄が、自分の責任であるから処罰してくれと訴えても、西和(せいわ)が、代わりに罰を受けると申し出ても、決定は覆らない。木隆は黙ってこれに従うしかないのだった。一方、山賊に襲われた阿勒邱(あろくきゅう)は、傷を負った1人の兵士と共に山中を必死で逃げていた。もう少しで縄張りから出れるというところで…。
[第 11 話 ] 
第11話
  45分
木羅(ぼく・ら)には何か裏がある。そう睨んだ阿勒邱(あろくきゅう)は内実を探るため、木増(ぼく・ぞう)と共に、働き口を探している夫婦を装って金鉱へ潜入することに。その夜、阿勒邱、木増、高玉龍(こう・ぎょくりゅう)、阿照(あしょう)の4人は人目を忍んで集まった。木羅が何か隠し事をしているのは間違いなく、疑わしい点も見受けられるのだが、断定するだけの証拠がない。とにかく証人を探すということで話し合いは決着した。その後、木増と阿勒邱が語り合っているところに、突然1人の男が…。
[第 12 話 ] 
第12話
  45分
「人質を返せ」――木羅(ぼく・ら)の目の前で、開口一番そう言った男こそ、木府の嫡孫・木増(ぼく・ぞう)だった。思いもよらぬ事実に、一瞬驚きの表情を見せる木羅。しかも人質とは阿勒邱(あろくきゅう)のことらしい。何のことだか分からない木羅だったが、木増は、阿勒邱を誘拐できるのは木羅しかいないと信じて疑わないのだった。一方、阿勒邱は、自分をさらった男と小さな小屋の中にいた。"阿勒邱"の暗殺を企てるこの男に、なんとか人殺しを思いとどまらせようと説得を試みるが…。
[第 13 話 ] 
第13話
  45分
木増(ぼく・ぞう)は阿室于(あしつう)と結婚するのが一番いいのだと、阿勒邱(あろくきゅう)は半ば諦めていた。だが、復讐の邪魔になる阿室于を殺すという西和(せいわ)の言葉を聞いてしまっては、さすがに冷静ではいられない。一族の仇でもない彼女を巻き込むなど、そんな非道は両親も望んでいないと阿勒邱は訴えるが、西和は全てはお前のためだと言って譲らない。そして「明日、午の刻にあの女を連れ出せ」と言い残し去って行くのだった。一方、木増は父の木青(ぼく・せい)から木隆(ぼく・りゅう)の全軍掌握を阻止すべく入軍を命じられ…。
[第 14 話 ] 
第14話
  45分
木増(ぼく・ぞう)から、「坤(こん)と私は君との結婚を望んでいる。どちらか選んでくれ」と告げられた阿勒邱(あろくきゅう)。自分の答え次第で彼らの運命は変ってしまう。一瞬、木増に視線を走らせた後、彼女は静かにこう言った。「お二人とも好きではありません。ですから、決められたお相手と結婚してください」。一方、木旺(ぼく・おう)と羅寧(ら・ねい)は、言い出したら聞かない増と坤に頭を悩ませていた。「阿勒邱を殺すか」と木旺。すると羅寧は「私に考えがあります」と告げ…。
[第 15 話 ] 
第15話
  45分
"君は わが妻"――阿室于(あしつう)が差し出した紙には、ナシ族のトンパ文字でそう書かれていた。増(ぞう)兄様が書いてくれたのと自慢げに話す阿室于。「君が喜ぶことなら何でもしてあげよう」と微笑む木増(ぼく・ぞう)。阿勒邱(あろくきゅう)は、そんな2人を黙って見つめるしかなかった。そればかりか、阿室于から婚礼の準備までも頼まれてしまう。阿室于が阿勒邱に婚礼の準備を依頼したのには、木増は自分のものだと彼女に思い知らせる意図があり…。
[第 16 話 ] 
第16話
  45分
何が欲しいかと羅寧(ら・ねい)に問われ、巴諾(はだく)は戸惑っていた。褒美をもらうような手柄など立てていないと答える巴諾。しかし、羅寧がこう切り出したのは考えがあってのことだった。巴諾は野心を持つ曲者。忠誠を誓わせるには"飴"が必要である。どんな望みでも良いと告げた羅寧の前で、巴諾は好色そうな笑みを浮かべるのだった。やがて阿勒邱(あろくきゅう)は思いもよらぬ宣告を受ける。「お前を当瓦寨の族長・巴諾に嫁がせることにした」…。
[第 17 話 ] 
第17話
  45分
雪深い殉情谷で心中を企てた木増(ぼく・ぞう)と阿勒邱(あろくきゅう)。死を目前にし、阿勒邱は自分が木府に来た本当の理由を静かに語っていた。「一緒に死ねるのは幸せなことなのね。そうでしょ?」と木増に問いかけるが返事はない。この時すでに、木増は意識を失っていたのだ。がくりとうなだれる木増を見て我に返った阿勒邱は、泣きながら彼の名を呼び、死なないでと繰り返す。とその時、2人を捜す阿月拉(あげつら)や木坤(ぼく・こん)たちの声が阿勒邱の耳に届き…。
[第 18 話 ] 
第18話
  45分
木増(ぼく・ぞう)は、自分ではなく阿勒邱(あろくきゅう)を選んだ――その事実が阿室于(あしつう)を憤慨させていた。そんな彼女のもとに阿月拉(あげつら)が。刺繍を教わりたいから部屋に来てほしいのだという。昏睡中の木増の容体が気にかかる阿室于。しかし、若様は誰かに世話させるから大丈夫と促され、彼女は部屋を出るのだった。一方、頭巾を被ったまま現れた阿勒邱を前にして、図巴(とは)は不信感を募らせていた。嫁ぐ時の一族の習慣らしいという説明にも納得がいかない彼は…。
[第 19 話 ] 
第19話
  45分
未だ阿勒邱(あろくきゅう)への想いを断ちきれない木坤(ぼく・こん)に、諦めなければまだ望みはある、本当の気持ちを確かめてみることだと囁く西和(せいわ)。躊躇う木坤だったが、結局は彼女の本心を探ってみることを選ぶのだった。木坤がその場を立ち去った直後、阿勒邱が怪訝な顔つきで西和に近付いた。西和と木坤が2人で話をしているところに偶然通りかかった彼女は、自分の名前を耳にしていたのだ。西和には、木坤と木増(ぼく・ぞう)のみならず、彼らの父親をも巻き込む騒動を起こすための策があり…。
[第 20 話 ] 
第20話
  45分
婚礼を終えて部屋に戻ってきた阿勒邱(あろくきゅう)。阿照(あしょう)が用意してくれた食事を味わっていると、そこに突然、阿室于(あしつう)がやって来た。阿勒邱に茶を入れろと指図したかと思えば、熱すぎると言って放り投げる――尊大な振る舞いをする阿室于に対し、阿照は怒りを抑えきれない。そんな彼女を諌めたのは当の阿勒邱だった。阿照がやめさせようとするのも聞かず、命じられるまま阿室于の足を洗おうとする阿勒邱。ちょうどその時、木増(ぼく・ぞう)が現れ…。
[第 21 話 ] 
第21話
  45分
謝天(しゃ・てん)の無礼な態度に、今にも掴み掛らん勢いで怒りを露わにする木隆(ぼく・りゅう)。木旺(ぼく・おう)は、謝天にこの場を立ち去るよう促し、出陣前の祭祀は中止となる。怒りが収まらない木隆は「殺す」と息巻いているが、勅使である謝天を手にかければ、木府が罪に問われることは必至。だが木隆は、山賊に殺させれば問題ないと引く気はない。謝天を殺すための武器を取りに立った木隆を見送る西和(せいわ)は、木府の先祖の位牌を見つめながら「お前たちの子孫が罪を犯そうとしてる」と不敵な笑みを浮かべ…。
[第 22 話 ] 
第22話
  45分
阿室于(あしつう)とともに羅寧(ら・ねい)に呼び出された阿勒邱(あろくきゅう)。木府と私を騙していないと誓えるかと問われた彼女は、木増(ぼく・ぞう)を愛してるから絶対に傷つけないと答えた。それに対し、阿勒邱を信用できない羅寧は「お前は追い出さねばならぬ」と言いつつも、こう続ける。「だが今ではない」と。これに驚いたのは阿室于だった。羅寧は阿勒邱を嫌っているから追放するとばかり思っていたのだ。それどころか、阿勒邱を鞭で打とうとしたことを「二度目は許さぬ」と咎められ…。
[第 23 話 ] 
第23話
  45分
阿室于(あしつう)は先祖の位牌を高々と持ち上げると、そのまま地面に叩きつけた。真っ二つになった位牌とそのそばに立つ阿勒邱(あろくきゅう)の姿を侍女の小顔(しょうがん)に目撃させ、"祠堂の前を通りかかったら、阿勒邱が位牌を壊しながら土司に呪いをかけていた"と証言させる――そうして、阿勒邱を破滅に追い込むのが、阿室于の目論みなのだ。だが小顔を呼んでも返事はない。実は、急に態度を変えた阿室于をいぶかしんだ阿勒邱は、密かに対策を考えていたのだ。そうとは知らぬ阿室于に対し、阿勒邱は…。
[第 24 話 ] 
第24話
  45分
妾という立場の自分を小ばかにするような態度を取る商人たちに対し、交渉役が私では不満なら義父上と変わるわ、と笑顔を浮かべる阿勒邱(あろくきゅう)。続けて彼女が発した「そうなれば死罪は免れないでしょうね」との言葉に、商人たちは一斉にざわめいた。光源米店の馬(ば)店主は、朝廷に仕える身である木青(ぼく・せい)がみだりに人を殺せば罪に問われるからそんな話は嘘だと高を括る。それを聞いた阿勒邱は笑みを絶やさぬまま、落ち着き払ってこう答えるのだった。「だから私が来たの」と…。
[第 25 話 ] 
第25話
  45分
木府軍は敵に取り囲まれ、万事休すの状態だった。「白鬼営だ。後悔せぬか?」。木旺(ぼく・おう)の問いに、「木府には勇士のみ」と応じ、剣を構える木増(ぼく・ぞう)。次の瞬間、不意に木旺の拳が振り下ろされた。未来の土司をみすみす死なせるわけにはいかない――彼は気絶した木増を安全な場所へ連れ出すよう、高玉龍(こう・ぎょくりゅう)に命じ、自らは数名の兵士だけを引き連れ、死を覚悟で敵陣に突撃するのだった。一方、木府では、ここ数日木増から連絡がないことに不安を募らせる阿勒邱(あろくきゅう)だったが…。
[第 26 話 ] 
第26話
  45分
生き残った偵察兵の中に、羅寧(ら・ねい)の手の者がいるという。その密偵と連絡が取れるのはお前だけだと言われた阿勒邱(あろくきゅう)は、彼に会うため図巴(とは)に連れられ約束の場所へと向かった。しばらく待っていると、それらしき人物が。だが、密偵かと思われたその男は2人の前に進み出ると、あろうことかいきなり図巴に斬りかかったのだった。突然の出来事に言葉をなくす阿勒邱。その場から逃げようとするも首元に刀を突きつけられてしまう。男が阿勒邱に問う。「誰に命じられた?」と…。
[第 27 話 ] 
第27話
  45分
麗江と木府が幾度も危機に見舞われながらも持ちこたえたのは、人知れぬ力に守られてきたからだと、木青(ぼく・せい)は言う。その力とは暗梟衛隊――彼らを指揮する土司とその妻、そして長子だけが存在を知る隠密の組織である。それをなぜ自分に教えるのかと疑問に思う阿勒邱(あろくきゅう)だったが、その答えは羅寧(ら・ねい)から手渡された匕首にあった。なんと、これこそが組織を動かす令牌だったのだ。組織を指揮できるのはお前しかいないのだと木青に告げられた阿勒邱は覚悟を決め…。
[第 28 話 ] 
第28話
  45分
軍に奇妙な動きが見え始めていた。裏切る兵士はまだわずかだが、手を打たねば兵権を奪われてしまう――西和(せいわ)は木隆(ぼく・りゅう)にそう伝えるも、"土司は兄上だ、父上を殺めた証拠がない限り逆らうことはできぬ"と言って動こうとしない。そればかりか、その身に危険が迫っていると訴えても「黙れ」と一喝されてしまうのだった。仕方なくその場を引き下がった西和の前に阿勒邱(あろくきゅう)が。「結局、隆様は権力の座より肉親の情を選んだ」と勝ち誇った笑みを浮かべる彼女に西和は…。
[第 29 話 ] 
第29話
  45分
「木旺(ぼく・おう)は西和(せいわ)の謀略で死んだ」。白鬼営の統領は、虫の息で阿月拉(あげつら)に告げた。全ては内通者である西和が仕組んだことで、木府も白鬼営の誰もが騙されたのだと。疑惑は確信へと変わった――やはり、黒幕は西和だったのだ。必ずや奴の本性を暴いてやると、阿月拉は急いで馬を走らせるのだった。木府へと戻った彼女は、一刻も早くこの事実を木坤(ぼく・こん)に伝えようとするが、生憎と姿が見当たらない。そこで、阿月拉は、黒幕が西和であった旨を書き残し…。
[第 30 話 ] 
第30話
  45分
木隆(ぼく・りゅう)が用意したのは"黄泉の酒"――飲めば苦しむ間もなく絶命する猛毒の酒だった。それを杯に注ぐと、木隆は木青(ぼく・せい)を見つめ静かに言った。「兄上、覚悟を決めよ」。一方、城東・一番地の小屋で愛しの木増(ぼく・ぞう)と涙の再会を果たした阿勒邱(あろくきゅう)。城内に入るため疫病にかかったふりまでした彼に、なぜそこまでするのかと尋ねると木隆に命を狙われるからだという。誤解だと言っても今の木増には届かない。だが、とにかく木青の救出が先決だと2人の意見は一致し…。
[第 31 話 ] 
第31話
  45分
土司就任を明日に控えた父・木隆(ぼく・りゅう)のもとを訪れた木坤(ぼく・こん)は、就任式の式場で自ら兵を率いて警備をするため兵符が欲しいと訴え出た。息子の申し出に喜んだ木隆は、その場で兵符を預けることに。しかしあろうことか、木坤はその大事な兵符を阿勒邱(あろくきゅう)に手渡してしまった。殺生を厭わない父の手に兵符あることで、これ以上、死人を出したくないという思いからだ。だがこれは全て、真の目的のために阿勒邱の書いた筋書き通りであり…。
[第 32 話 ] 
第32話
  45分
なぜ自分を逃がすのかと問う木隆(ぼく・りゅう)に、骨肉の争いをやめ、誤解がとけることを望んでいると告げる木増(ぼく・ぞう)。しばし見つめ合ったあと、木隆は無言でその場を去り、大軍とともに永寧へと戻っていくのだった。皆のもとへと戻った木増が母との再会に浸っていると、そこへ図巴(とは)が。彼から"民心を安定させるため、直ちに土司を継げ"というドルジェ大師の伝言を聞き、微かに驚きの表情を浮かべる木増に阿勒邱(あろくきゅう)は言った。「増、これがあなたの運命よ」と…。
[第 33 話 ] 
第33話
  45分
木増(ぼく・ぞう)が部屋に戻ってくると、阿照(あしょう)が酒を用意して待っていた。彼女は、言い争いになってしまった阿勒邱(あろくきゅう)と仲直りしたいようだ。阿勒邱は怒っていないからと帰るようにと木増が促しても、もう少し話がしたいと酒を差出してくる。仕方なく杯を受ける木増だったが、しばらくすると彼の体に異変が。突然のめまいに襲われて意識を失い、阿照の膝の上に倒れ込んでしまう木増。あくる朝、一晩中戻ってこなかった阿照を心配した阿勒邱は、木増の部屋に赴く。そこで彼女が見たのは…。
[第 34 話 ] 
第34話
  45分
麗江と永寧の和解には木坤(ぼく・こん)の力が必要だ――木増(ぼく・ぞう)のこの言葉を聞いた阿勒邱(あろくきゅう)は翌日、彼自身に告げることなくとある場所へと向かった。実は昨日、木坤が自分と内密に会って話がしたいと言っていると、彼の部下から伝えられたのだ。木隆(ぼく・りゅう)の説得をお願いするつもりで約束の林で木坤を待っていた阿勒邱だったが、そこで突然、何者かに背後から殴打され気絶してしまう。やがて、意識を取り戻した彼女の前に…。
[第 35 話 ] 
第35話
  45分
永寧で捕らわれの身となった阿勒邱(あろくきゅう)は、自分が生きていることを木増(ぼく・ぞう)に知らせなければと、気が気ではなかった。西和(せいわ)の策略により、阿勒邱は殺されたことになっているのだ。このままでは、木増が自分の後を追って死んでしまう――「お願いだから、ここから出して!」と泣き叫んで懇願しても、誰も取り合ってはくれない。絶望のあまり、その場に崩れ落ちたその時、何者かに見張りの兵が倒された。突然の出来事に息をのむ阿勒邱の目の前に現れたのは…。
[第 36 話 ] 
第36話
  45分
お腹の子を奪うなんてあんまりですと嘆く阿照(あしょう)。堕胎薬を買ったのは阿勒邱(あろくきゅう)で、口止めに黄金を渡されたと証言する呉(ご)医師。阿勒邱は、それらを信じられない思いで見つめていた。妊娠などしていないことも、嘘の見立てをしたことも認め、自首すると約束したはずの2人に裏切られ、罠にはめられたのだ。ここで本当のことを訴えても無駄なことは分かっていた。阿勒邱の頬を涙が伝う。「最後に言いたいことは?」と羅寧(ら・ねい)に問われた阿勒邱は…。
[第 37 話 ] 
第37話
  45分
掘り尽くされたという金鉱を調査するため、木増(ぼく・ぞう)、阿勒邱(あろくきゅう)、徐霞客(じょ・かかく)の一行が現場を訪れる。その晩、木増殺害の密命を帯びている阿虎(あこ)は、心の中でわびながら彼の部屋へと向かった。人質となっている阿室于(あしつう)を助けるためだと心を決めた瞬間、後ろから呼び止める声が。阿勒邱である。抜きかけた刀を慌てて鞘に戻し、取り繕う阿虎。金鉱は木府の管轄なので危険はないと阿勒邱に言われてしまっては、その場を立ち去るしかなく…。
[第 38 話 ] 
第38話
  45分
文化による繁栄こそが麗江を支える――徐霞客(じょ・かかく)は、木増(ぼく・ぞう)にそう助言した。己の進むべき道を確信した木増は、さっそく秘宝と呼ばれる経典・大蔵経を借りるため、チンワ・タクツェ宮の高僧(?)を紹介してほしいとドルツェ大師に依頼した。大蔵経を板刻し、世に広めようというのだ。木増の思いをくみ取り、チンワ・タクツェ宮へ増の意志を伝えにいくと約束した大師だったが、急に深刻な表情になり、こう切り出した。「ここ数日、阿勒邱(あろくきゅう)殿の体調が優れぬゆえ脈を診ました」…。
[第 39 話 ] 
第39話
  45分
お腹の赤ん坊は無事だった。木増(ぼく・ぞう)の言葉に、阿勒邱(あろくきゅう)はほっと胸をなでおろした。そして、もう1つの心配の種であった阿照(あしょう)も、幸いなことに処刑は免れたという。阿勒邱はすぐさま、部屋の外に控えていた阿照のもとへ。彼女は阿勒邱と赤ん坊の無事を知り、笑顔を見せた。しかし、それも一瞬のことで、神妙な面持ちになると"ここを出ていく"と切り出した。そんな阿照を優しく見つめながら、阿勒邱はこう告げる。「どこへ行くつもり? あなたの家はここよ。私の妹なんだから」と…。
[第 40 話 ] 
第40話
  45分
木隆(ぼく・りゅう)は、木旺(ぼく・おう)と木青(ぼく・せい)の位牌の前で跪いた。そして、傍らに立つ木増(ぼく・ぞう)に私を殺せと言い放つ。父と兄の2人を死に至らしめたこと、戦により民を犠牲にする愚を犯しかけたこと、これらの大罪を自分の命をもって償うつもりだった。「わが死を見届け、安らかに眠ってくれ」――木青に語りかけながら覚悟を決める木隆。木増は、木隆の腰にある刀を抜き、「私には許せません」と口にすると、それを頭上に構えるのだった。そして、ためらうことなく振り下ろされた刀は…。
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